SPECIALIST COLUMN 医師ら専門家のスキンケア指導方法

スキンケア指導

皮膚科には、さまざまな皮膚病の患者様が来院します。どの病気でも「肌をやさしくいたわる」ケアはとても大切です。塗り薬やスキンケア製品を使用する場合には、塗るタイミングや順番、塗る量、塗り方などを、具体的にお教えします。また必要に応じて、入浴方法や顔や体の洗い方、使用するセッケンやシャンプー、肌着や洗濯洗剤なども同時にお教えしていきます。
病気や肌の状態に合わせたきめ細かなスキンケア指導はとても重要なのですが、実は一つ難点があります。診察中に一つ一つお教えするには、とっても時間がかかるということです。
そこで当院では、スキンケアマニュアルを作り、それに基づいて看護師が患者指導を行っています。使用したマニュアルは患者様にお渡しして、自宅でのスキンケアの参考にしてもらいます。

お肌のお手入れマニュアル

アトピー性皮膚炎や全身のかゆみ、乾燥した肌など、全身のケアが必要な場合に用います。肌を整えるには保湿ケアが重要です。その際に、強く刷り込まないようにやさしくたっぷり塗ることをお教えします。塗り薬を使用する場合は、どの場所にどの薬を塗るのかをていねいに指導します。
お肌のお手入れマニュアルはこちら(PDF)

敏感肌用アドバイスカード

アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎などで、顔にかゆみや赤みを生じている場合に用います。炎症が強い場合は、化粧品を使用しないでまず塗り薬で治療を行い、症状がよくなってから、徐々に敏感肌用の化粧水や乳液・クリームなどを試していきます。
メイクをする場合は、敏感肌用の日焼け止めを下地として使用し、その上にファンデーションを軽くのせます。ファンデーションを使用することで、肌あれをカバーできます。
ポイントメイクのコツは、かゆみや赤みのある部分を避けてメイクすることです。例えば、まぶたが赤く腫れている場合はアイメイクはやめて、眉毛と頬紅、口紅のみ使用します。ほほが赤くなっている場合は頬紅を使わずに、眉毛とアイメイク、口紅を使用します。このように、肌のあれていない部分にポイントメイクをすることで、きれいにお化粧をしたように見えます。

スキンケアの指導は、患者様の気持ちに寄り添いながら、少しでも早く肌の状態を整えて健やかになりますよう、ていねいに行うことが大切だと思っています。
敏感用アドバイスカードはこちら(PDF)

 

野村 有子 先生この記事を書いた人

慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部皮膚科教室に入局しました。大学助手として、水疱症や膠原病などの免疫的な病気、皮膚腫瘍の病理組織などの研究に携わってきました。
その後、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科に勤務し、アトピー性皮膚炎をはじめとするさまざまな皮膚の病気の診断、治療を行ってきました。
1998年、一人一人の患者様を大切にした適切できめ細かな指導をしたく、横浜市に野村皮膚科医院を開業しました。
2003年、チャリオタワーに医院を移転し、アレルギー対応モデルルームやアレルギー対応カフェを併設しました。
あらゆる皮膚疾患について丁寧に説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細やかな指導を行っています。
また、パッチテストや血液検査、皮膚組織検査などで病気の原因検索にも力をいれています。

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