人の臓器は外界から皮膚で守られています。大切なお肌の御守り、すなわち皮膚のバリア機能についてお伝えします。
[3つの皮膚バリア機能]
- 透過性バリア機能 : 建物の壁や屋根のように皮膚を守ります。
- 抗菌バリア機能 : 抗菌ペプチドや免疫グロブリンで菌から守ります。
- 免疫学的バリア機能 : 自然免疫や獲得免疫反応を担います。
[皮膚バリア機能に影響を与えるもの]
- 乾燥(湿度の低下)環境、高齢者、アトピー性皮膚炎の方などは、角質水分量の低下が皮膚の炎症を引き起こします。
- 機械的刺激 掻いたり、傷つくと炎症性サイトカインを誘発しますし、pHが上がるとブドウ球菌が増えやすくなります。表皮が傷つくと痒みの神経が伸びて痒くなります。
- 精神的ストレス 内因性ステロイドが出て、皮膚の脂質の合成が下がります。
- 女性ホルモン 閉経後は角質の水分量やバリア回復能が下がります。
- 小さなチリダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)や黄色ブドウ球菌がバリアを破壊します。
[保湿剤の種類]
保湿がバリア機能を維持し回復するのに大切な役目を果たします。まず、種類は作用の面から大きく分けて2つあります。
一つ目はエモリエントです。水分の蒸発を防ぐもので、皮脂膜に相当する役割です。医療医薬品では白色ワセリンが代表選手です。
二つ目はモイスチャライザーです。水分を保持する保湿成分を補うものです。吸水性、保湿性により水分蒸散量を低下させます。医療医薬品ではヘパリン類似物質含有外用剤、尿素クリーム。医薬部外品や化粧品ではセラミド、ヒアルロン酸、水溶性コラーゲン、乳酸などを含むものがあります。
[保湿剤のタイミング]
入浴後すぐがおすすめです。入浴後10分以内がめやすです。角質が膨潤しており、表面の皮脂が取れているので早めに塗りましょう。一日1回から2回。1回にたくさん塗るよりも2回に分ける方が良いというデータがあります。
[保湿剤の塗り方]
皮膚のキメに沿って塗ってください。
腕は縦方向ではなくてクルクル
脚も縦方向ではなくてクルクル
スキンキュアサポートサービスは、記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、責任を負うものではありません。
この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。